タクシー会社の強みと一次産業から生まれたユニークな旅行事業『孫の手トラベル』

本記事は弊社が運営するYoutubeチャンネル「ハタフルチャンネル（通称：ハタチャン）」で配信した内容を、記事としてアーカイブしお届けしています。

今回は「【ハタフルのお客様紹介】～株式会社孫の手～」と題して、福島県内で旅行事業やレストラン事業を手がける「孫の手トラベル」様にインタビューいたしました。

孫の手トラベルと、フードキャンプについて

孫の手トラベル様は、60年以上の歴史のあるタクシー会社を母体にもつ、ユニークな旅行会社さんです。今回は、企画から当日の運営まで、すべてを孫の手トラベルが手がけるアウトドアレストランツアー「フードキャンプ」についてお話を伺います。

孫の手トラベル：
フードキャンプでは、参加者が生産者さんのところで収穫体験を行った後に、そのまま畑にダイニングを設けて食事をします。収穫されたばかりの新鮮な食材を、シェフがフードカートで調理して、コース料理で振るまいます。今年で5年目、開催回数は4、50回ほどになります。

ハタフル：
開催場所は、普通の農家さんや牧場さんなんですよね。

孫の手トラベル：
はい。有名な観光地、観光果樹園は除外しています。知られていない場所を見つけ、そこを観光地にする、というような気持ちでツアーを開催しています。

フードカートの衝動買いから始まったツアー事業

ハタフル：
フードキャンプは、生産者と消費者をつなぐという、全国的にも珍しいツアーです。始まったきっかけはどのようなものなんですか？

孫の手トラベル：
実は、うちの代表がフードカートを衝動買いしてしまったことがきっかけなんですよ（笑）

ハタフル：
そうだったんですね！（笑）

孫の手トラベル：
買ったからにはなんとか事業を作らねばならないということで。そこで、快くフードキャンプを受け入れてくれたのが鈴木農場さん、フードカートでの料理のアドバイスをしてくださったのが、日本調理師専門学校の学長の鹿野先生なんです。そこからいろいろ展開を考えて、まとまっていったんです。

孫の手トラベルならではの送迎サービス

孫の手トラベル：
孫の手トラベルのツアーは、タクシー送迎付きなのが大きな特徴です。郡山市内の方へは自宅までの送迎付きで、まさにドアtoドア。お土産をたくさん買っても、お酒を飲んでも大丈夫なんです。市外の方には、郡山駅や前泊する市内ホテル等までの送迎となります。

ハタフル：
車が必要なところへの旅行へは、どうしてもハンドルキーパーが必要なのが悩みどころですものね。お酒飲みたいときに、気兼ねなく飲みたい人が飲めるのがありがたいです。さすがタクシー会社から始まっている企業様ならでは、かゆいところに手が届く「孫の手」って感じですね。

生産者と消費者、県外・内の参加者を繋げる想い

ハタフル：
参加者の方はどのような年齢層の方が多いですか？

孫の手トラベル：
多いのは、40〜50代の女性ですね。おひとりでの参加も多いですが、ご家族やご友人が一緒のことも多いですよ。でも去年は20代、30代も増えましたね。地元・県外の割合は半々くらいで、北は北海道、南は宮崎あたりから参加される方もいらっしゃいますよ。

ハタフル：
おひとりでの参加者だと心細いかなとも思うのですが、ツアーの中でお友達ができるということもあるのでしょうか？

孫の手トラベル：
けっこう交流はたくさんしていただけますよ。まず収穫体験を一緒にすることで打ち解けられますし、その後、席について一緒に食事を取ると、「同じ釜の飯を食った」という意識になられるようです。おひとり同士で仲良くなって、また会おうねと言って解散される方々もよくお見かけします。

孫の手トラベル：
地元の方と県外の方をまぜこぜにしていると、こちらから案内せずとも、県外の方が遊ぶ場所を地元の方に聞いたりなど、自然と地元のことを県外の方に教えてあげてくださるんですね。すると、県外の方が「すごいね！」と驚いたりして、地元の方が「それってすごいことだったんだ！」と逆に驚いたりもしているんです。

じつは、それはわたしたちの目指すところのひとつ。地元の人に地元のいいところを再発見してほしいんです。東日本大震災で、福島の方は少し自信を無くしたところもあったと思うんですが、その自信が復活してくれたら嬉しいです。だから、県外の方向けのツアーにはしていません。地元の方にも県外の方にも楽しんでいただきたいです。

ハタフル：
フードキャンプが、生産者と消費者だけではなく、県外と県内をつなぐコミュニティみたいな役割として機能しているんですね……！