Webマーケティング
地方でWEB広告(リスティング広告)を実施したら笑いが止まら...
READ MORE
ハタフルのマーケティング担当の北風です。
今回は、私が東北でさまざまなお客様のリスティング広告(検索連動型広告)をお手伝いして気づいたリスティング広告運用のポイントを、一部実例でご紹介します。
私自身はリスティング広告に8年ほど携わってきたのですが、東京と東北ではリスティング広告の運用に若干の違いがあると感じています。その違いを踏まえて参考にしていただければ幸いです。
リスティング広告とはなに? と思われる方は以下の記事を参照してください。
地方でWEB広告(リスティング広告)を実施したら笑いが止まらないくらい結果がでた。
そもそも東北では、リスティング広告を実施している企業が非常に少ない印象があります。ではなぜ、リスティング広告を実施していない企業が多いのでしょうか?
私が思うに大きく3つの要因が考えられます。
総務省のデータによると、地方別にインターネットの利用状況を見たときに、東北は全国の各地域の中でも最も利用状況が少ない地域にあたります。
そのため、他の地域と比較すると検索母数は少なくはなります。ただし、全国的には低いながらも一定母数は検索しているユーザがいることも事実です。
出典:総務省「通信利用動向調査」 地方別インターネット利用率及びスマートフォン利用率
これは経験での話になりますが、東北の企業では紙媒体・チラシには予算をきちんと組んでいても、インターネット広告に予算を確保している企業が少ない傾向にあります。
この要因は、「試したことがないものに予算をいくら割り当てていいのかわからない」「他社でうまくいっているかわからない広告に投資できない」という考えが前提にあるのではないでしょうか。
そのため、全体の広告予算の中で数万円のみWeb広告に投資するというケースが多く見受けられます。
要因2に起因することでもありますが、少ない予算編成でリスティング広告を実施してみたものの、設定が不十分なために効果が出る可能性があるにも関わらず予算を使い切ってしまい、失敗と決めつけられる場合があるということです。
この3つの要因が前提にあるとして、東北という地域において、どのようにリスティング広告を運用すればよいでしょうか?
例えば、予算5万円に対してCPA(1件あたりの獲得コスト)1万円を目標とした場合、どうすれば予算内で獲得できるでしょうか?
これにはCPAを因数分解して考えると、以下の式が成り立ちます。
CPA・・・ 1件あたりの獲得コスト
CV・・・ お問い合わせの数
CPC・・・ 1クリックあたりの単価
CVR・・・ 1件あたりのお問い合わせ獲得率
これらを踏まえると、1件あたりの獲得コスト1万円を達成するためには、以下の2点がポイントになります。ポイント2に関しては、リスティング広告の問題だけではなくサイト設計の問題であるケースもあるので、今回はポイント1に焦点をおいて考えてみます。
ポイント1:CPCを低く、多くのユーザを集めることができるか
ポイント2:CVRを上げて、多くのユーザに問い合わせをしてもらえるか
つまり、5万円の予算という中でCVを多く獲得するためには、低いCPCで多くのクリックを集めたほうが、多くのCVを獲得できる可能性が高まります。
特に東北では、要因1のとおり検索するユーザの母数が全国的に少ないため、限られた予算内で多くのクリックを獲得することは、お問い合わせを多く獲得するための必要条件となります。
では、CPCを下げるにはどうすればよいでしょうか。
CPCは、登録キーワードや広告配信の設定条件により異なるので「このキーワードでは〇〇円が基準なので、ここより下げればいい」と言い切ることができません。
一般的な傾向としては、条件を狭く限定した場合にCPCが高騰することが多くなります。ここでいう「条件」はいろいろあるのですが、特に大きく作用するのが「キーワードのマッチタイプ」です。
キーワードのマッチタイプとは、設定したキーワードとユーザーが検索したキーワードが、どの程度一致していれば広告を表示するのかという範囲を決める設定のことです。設定の種類は「完全一致」「フレーズ一致」「絞り込み部分一致」「部分一致」の4種類。
部分一致を指定して広範囲のユーザーに広告を表示させることや、完全一致を指定して広告の表示機会を絞り込むなど、この4種類のマッチタイプをどう使い分けるかがポイントになります。
例として、広告主が「結婚式場」だった場合で説明しましょう。
「福島 結婚式場」という検索ワードをマッチタイプ別に設定すると、実際には以下のような検索キーワードでもリスティング広告が表示される可能性があります。
※「」内のワードが検索キーワード
前述の通り、リスティング広告では条件を狭く限定するとCPCは高騰する傾向があります。つまり、キーワードのマッチタイプを完全一致寄りに狭めれば狭めるほど、CPCが高騰するということです。
以下に同じキーワードでマッチタイプが違う場合のCPCを記載します。
※ +がついているものが「絞り込み部分一致」、何もついていないのが「部分一致」となります
※今回の例の品質スコアは「絞り込み部分一致」「部分一致」ともに同一です
当初、私はこのマッチタイプの中で「絞り込み部分一致」のみ多用して広告配信をしていました。これはさまざまなキーワードで表示されすぎるのではなく、ある程度想定の範囲で広告を配信させれば、お問い合わせが獲得できるであろうと考えていたためです。
しかし実際に配信してみると、検索している人の母数が想定以上に少なく、広告がなかなか表示されない、クリック数が少ない、結果CVが発生しにくいという状況に陥ったことがありました。
そのため同一キーワードで部分一致を追加したことにより、表示回数、クリック数も大幅に増加し、CVが定期的に発生しはじめました。ただし、部分一致には自分の想定していない、関係のないユーザにまで配信されてしまうデメリットもあるので注意が必要です。
結婚式場の例で「福島 結婚式場」を部分一致で登録している場合、関係のないユーザに配信されている例を2つほど、実例でご説明します。
実際に以下の2つのキーワードで検索をしてみました。(2018年11月6日時点)
検索ワード:「福島 結婚式場 バイト」
赤枠がリスティング広告になるのですが、いかがでしょうか?
「福島 結婚式場 バイト」で検索したユーザは、結婚式場でバイトを探している学生やパートの方だと想定されます。それにもかかわらず、1位に掲載されているような結婚式場の見学会を訴求すると、誤ってクリックする可能性が非常に高くなります。
検索ワード:「大阪 福島 ブライダル」
今回の場合は、結婚式場を探しているユーザということで一致はしていますが、地域が違っている例です。「福島」という地域は福島県だけではなく「大阪」にも「大阪府大阪市福島区」という地名があります。その大阪の方に、福島県の式場の広告が実際に出てしまっているのです。
結果的にユーザ、広告主の双方にとって、求めているものとは違うクリックを発生させてしまう危険があります。
上記2つのような例を回避するためには、関係のないユーザを排除するように「除外キーワード」を設定する必要があります。
除外キーワードを設定すると、特定の検索語句を広告の表示対象から除外して、お客様の商品やサービスに関連する重要なキーワードを検索したユーザーのみに広告を表示することができます。
ターゲットを絞り込むことで、関心のあるユーザーに広告が表示されるようになり、費用対効果(ROI)を向上させることができます。
上記の例だと、「バイト」「大阪」などのキーワードです。おすすめとしては、リスティング広告管理画面のツールの共有ライブラリから「除外キーワードリスト」を活用することです。関係のないユーザが想定されるワードをリスト化して登録することで、管理も容易にできます。
ただし、あくまで想定の範囲内での除外キーワードの設定になるため、実際に広告配信をして想定外のキーワードで検索され、クリックされるケースも多々あります。特に競合名などのクリックは多く発生するケースがあります。
この場合はリスティング広告の管理画面で検索語句(キーワード)を確認し、どう対応するか(除外するのか、そのままにするか、新たに追加するのか)を決定してください。
長々と記述してしまいましたが、東北でリスティング広告(検索連動型広告)を実施する際のポイントをまとめると、以下の3点になります。
今回はキーワードのマッチタイプに重きをおいて解説しましたが、もちろん、その他にも広告文でのテクニックや、ターゲット地域の詳細設定、RLSA(検索広告向けリマーケティング)の活用なども有効的です。
東北では検索しているユーザーの母数が少なく、首都圏など人口の多い地域とは戦い方が多少違うこともあるため、今回解説させていただきました。ここまでご覧いただいたみなさんの参考になれば幸いです。
※これはあくまで弊社の場合であり、「完全一致」「フレーズ一致」「絞り込み部分一致」を設定しないほうがいいというわけではありません。予算、アカウントの状況によっては、3つのマッチタイプを使い分けて成果を出すことが可能です。
※今回の例は、広告ランク、CVR(クリックして流入してきたユーザのお問い合わせ獲得率)に関しては一定という前提で記載しました。条件によっては今回のケースのようにはならないことをご了承ください。
MAIL MAGAZINE
週一回など、集客アップやお問合せ増加のホームページ運用ノウハウを配信中!