本記事は弊社が運営するYoutubeチャンネル「ハタフルチャンネル(通称:ハタチャン)」で配信した内容を、記事としてアーカイブしお届けしています。
今回のテーマは「【コロナ禍でのデジタルシフト】オンラインキャンペーン成功の秘訣」と題して、リアルイベント→オンラインキャンペーンへの転換を成功させた地元ガス会社の事例をご紹介しました。
お話したのは、広告運用担当の徳毛、プランナーの南、営業を担当した佐藤です。
初のオンラインキャンペーンで目標189%達成!
今回ご紹介する事例は、地元の老舗ガス会社様と実施したオンラインキャンペーンです。
この企業様は長年、春と秋に、ガス機器の販売やリフォームの相談などを行うイベントを開催していました。フードカーを呼んだり展示を行ったりなど、地元の方にはお祭り感覚で楽しんでもらっていたイベントだったのですが、2020年は春秋ともに新型コロナウイルスの影響で中止を余儀なくされました。
そのため、イベントに代わって初のオンラインキャンペーンを2020年秋に実施することになりました。今回キャンペーンで行ったのはガス機器、暖房機器などの生活家電の販売でキャンペーン期間は1ヶ月半ほどです。
結果からお伝えすると、「目標300件」に対して「568件(189%)」のお申し込みを獲得し、大幅な目標達成ができました。
徳毛:
圧倒的な数字で、私たちもびっくりしましたよね。もちろん企業様にも喜ばれました。
佐藤:
最初に話を聞いた時は、プレッシャーが大きかったですよね。今まででトップクラスのプレッシャーでした(笑)地元で愛されている企業様の初の試みなので、失敗できないなと感じていました。
徳毛:
「成功要因は顧客の状況に合わせた広告戦略」と書いていますが、詳しい内容を解説していきます。
顧客の検討状況に合わせた広告戦略
この図は、お客様が商品を知ってから購入するまでの流れです。お客様は商品や会社名を知っている場合もあれば、知らない場合もあります。そのように、お客様の状況や心境に応じて、一番適した広告媒体を選定し、アプローチしていく必要があります。
今回のオンラインキャンペーンでは、図の下部に記載した5つのアプローチ「テレビCM」「自社サイト」「バナー広告」「チラシ」「検索連動型広告」すべてを実施しました。
※テレビCMは他企業と提携しました
「認知」「興味」「検討」「購入」それぞれのフェーズで行ったこと、気をつけたことを解説していきます。
認知フェーズ
まずはキャンペーンの認知を広めることです。既存のお客様にはチラシ、新規のお客様にはWebとテレビで認知訴求を行いました。
南:
今回の企業様は、地元ではすでにお客様が多く、認知度はとても高かったんです。なので、まずは既存のお客様に、ガスの検針票とともにキャンペーンチラシを投函しました。このチラシはすでに認知していただいている方に刺さるような内容にしています。さらに、今回のキャンペーンはオンラインなので、地元以外の方もお客様になり得ます。そのような新規のお客様を広く取りにいくために、テレビCMを打ちました。そして、テレビCMで拾えないような層をWebでカバー……と、とにかく「ロスなく獲得していく」ことを念頭におきました。
徳毛:
Web広告では、既存のお客様・新規のお客様両方向けにバナーデザインや訴求方法も変えました。たとえば、既存のお客様には会社名やキャラクターで、見たことある親しみのある感じを。新規のお客様は会社名などわからないかもしれないので、コンロやファンヒーターの価格を訴求していきました。
興味フェーズ
認知を広げたら、次は興味を持ってもらうことです。キャンペーンに興味を持ってもらい、Webサイトのキャンペーンページに来てもらうにはどうすればいいかを考えました。
南:
前提として、今回はWebで申し込んでもらうのが目的でした。お得情報など、チラシに全部載せたくなってしまうのですが、そこをグッと堪えて、「Webにしかない製品がある」「Web申し込み特典がある」と、とにかくWebに呼び込むような流れに持っていきました。電話での申し込みがあっても、「Web申し込みのほうがお得」と言ってもらうことが追い風になりましたね。
佐藤:
Webからの申し込みでクオカードプレゼントとか、Web申し込み限定の抽選企画などをご用意しましたよね。
徳毛:
検索連動型広告では、「社名で検索されているのか」「ガス機器の商品名で検索されているのか」によってお客様の関心度が異なると考え、表示する内容を変えていました。社名での検索には「社名とキャンペーン実施」をアピールする内容を、ガス機器商品名の検索には、「MAX●%オフ」や「●割引」という内容を強く押し出していきました。
検討フェーズ
次は、Webサイトに来てもらったお客様への対応です。購入を迷ってるお客様に対して、どのように訴求するか。今回は、社員コメントを掲載することで「信頼感」を訴求していきました。
南:
価格勝負は激戦です。しかも、オリジナル商品でなく、メーカー製の商品なので、ネットで探せばいくらでも安い商品は見つかってしまいます。そこをフォローしないといけないなと強く感じました。
佐藤:
割引をしているとは言えども、競合調査をすると、大手ネットショップで探せば、もっと安いのが見つかっていたんですよね。なので訴求軸をずらして、「ガス会社から買う安心感」を訴求しました。
南:
そのために、よくある商品説明ではなく、「ガス会社社員としての商品へのレビューコメント」を用意したんです。ページが長くなってしまうけど、「これは絶対入れたほうがいい!」「やらせてください!」と主張して実施させてもらいました。これは検討段階のお客様に対して、効果あったんじゃないかなと思っています。
購入フェーズ
お客様が購入を決心しても、購入確定までに離脱するようなことがあっては元も子もありません。注文までのストレスをいかに軽減するかは重要です。
南:
たとえば、申し込みフォームにアンケートをつけまくったら、お客様は面倒になってしまいます。また、スマホ対応がされてなければスマホ申し込みができないですよね。フォームの項目をどうするかでは、大激論がなされました。
徳毛:
そうですよね、ボタンの表記とか。「購入する」なのか、「くわしくはこちら」か、「申し込む」かで、心理的ハードルが違います。
佐藤:
高い商品ですから、「購入する」だと「キャンセルできないんじゃないか?」と、心理的ハードルがあがってしまいますよね。今回は申込獲得から、成約してもらう、が目的なので「申し込む」にしよう、と決めるなど、いろいろ考えました。営業側としてもわかるのですが、Webサイトから申し込みがあったとき、いろんな情報があったほうが営業しやすいので、フォームにいろいろ書いてもらいたくなるんです。でも、多すぎるとお客様が煩わしさを感じてしまって、離脱されちゃいますよね。ガス会社さんと議論したポイントでした。
今回のまとめ
闇雲にチラシを配布する、Web広告を配信するのではなく見込み顧客にとって必要なタイミング・適切な手法でアプローチすることはオンライン・オフラインに限らず重要なことです。
特にはじめてオンラインでキャンペーンなどを開催する場合に、まずは、どういったターゲットなのか解像度を上げることで必要なタイミング・アプローチのヒントが見つかるかもしれません。
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